ド鬱女のミッドサマー(midsommar)ネタバレと感想

ミッドサマー観てきました。

 

去年の秋ごろからずっと気になってて、「ミッドサマーは自殺したくなる」という

うわさを聞き「ミッドサマー自殺オフはよ!」とか言い続けていました。

 

ちなみにこの1週間、鬱ツイートでTwitter規制かけられてました。

 

率直に言うと、自殺したくはならない。

映画が終わってまず思ったのが、

「自殺するよりこれ見たほうがコスパ良く現実逃避できる」でした。

 

私は鬱で追い詰められたときは倉橋ヨエコさんの「夜な夜な夜な」を

エンドレス再生して眠りにつきます。高校生のころからずっとです。

「マイナス」に「マイナス」を合わせるタイプの人間です。

 

「自殺したくなる」タイプの人は「マイナス」+「マイナス」で心の閾値が突破しちゃうのかなと思います。そういう方は見ないほうがいいというか、観ると辛いものを背負ってしまうかもしれないです。

私みたく「マイナス」×「マイナス」の人は元気がもらえるかもしれません。(-100)×(-100)で元気10000倍!おすすめです。

 

あと、観た後引きずるかというと、そうでもありません。

個人的には、クリスマスにぼっちで見た「戦場のメリークリスマス」のほうが

2・3日頭から離れない状態になりました。

ミッドサマーも、戦場のメリークリスマスも、

傑作か、名作か、奇をてらった駄作なのか、評価をつけられない一般人ですが、

考えさせられたのは戦場のメリークリスマスでした。

 

ホラーとエロとグロの度合いに関してですが、

 

ホラーは、びっくり系ではないです。「あ~そんなことしたら死んじゃう、殺すんですか?」「あっ死んだ」って感じで淡々と進みます。

怖いの種類は、別の宗教観や価値観に対する恐怖というか、人間こええって感じですね。

ホルガ村の人に対して「世界ウルルン滞在記」的な見方をしたら「儀式で人殺すんですね、はい」って感じで怖くなくなります。むしろ主人公ダニのその後が一番怖い。

 

エロは、男女ともに全裸でフルチンとかおっぱいフルオープンがある。

あと結合部を見せないセックスシーンがあります。でも前述のとおり【儀式】なのでエロくない。むしろシュール。カオス。

 

グロは、私はグロ耐性あるタイプ(動物の解剖経験あり)なので参考にならないかも。

でも足がちぎれたり剥いた後の人皮が出たり内臓がまろび出ているのでグロいと思う。

一瞬で終わるので目をそらすとかするだけで大丈夫です。

 

 起~承がすごく長い。転でサクサク人が死んでいきふわ~~っと結。

時系列ごっちゃごっちゃだけどアバウトに流れを書いていきます。

思い出すために他の方のネタバレとか参照してます。

 

主人公の女性ダニ精神疾患で情緒不安定気味の女性。向精神薬?錠剤めっちゃ飲んでる。妹も病んでいる。

彼氏のクリスチャンは支えてはくれるけどラブラブではない。大学の友達に

「メンヘラ女と別れたら?」的なことを言われてる。

そんななか妹が両親とガスで無理心中。

ダニはますます病んでいく。別れたかったのに別れられない非常にめんどくさい状況で彼氏は困る。そんななか男友達が地元の村に彼氏を誘う。ダニそれに気づいてついてくる。男友達はメンヘラ女まできたよ、うぜ~的な旅。ヤベー村につく。はじまり。

 メンバーはダニ、クリスチャン、村に招いた男ペレ、チャラ男のマーク、黒人ジョシュ

 

ここまでがかなり長い。鬱。

親が寝てると思ったらもう死んでたのには驚いた。妹がホースもって白目剥いてる顔はホラー。

個人的にはダニとペレが話してて、落ち着くためにダニがトイレ入ったとたんスウェーデン行きの飛行機内トイレに変わる(月日の変化)シーンが好き。

そして飛行機のトイレでも泣くダニが、家族引きずってる感じもよい。

後から考えたらペレの親もこのヤベー祭りで生贄になってるんすね。

車で四時間ぶっ飛ばすシーンで天地がひっくり返る演出も「異世界に行く」「戻れない」感じが良かった。

あとめっちゃ薬物出てくる。ダニがラリって手に草生えてくる幻覚みるとこはまさに悪夢。

 

村に着いた。自分たちのほかホラー映画で真っ先に死ぬであろうカップルが1組いる。

案内中の笛の曲がめっちゃ不気味。ペレの妹マヤが出てくる。

コテージ?小屋?にはルーン文字と意味不明な絵がびっしり。

タペストリーも不気味。でもこれ全部後から出てくる。ネタバレだった。

ルーン文字も全部意味があるのだろうな。

ダニ誕生日。ペレ祝ってくれる。クリスチャンは誕生日忘れてる。

村の生活。村長?が乾杯を言ってから飯を食う。ここから世界ウルルン滞在記

儀式的というかなんというか。

 

2回目(2日目?)の食事で音頭を取ったジジババが儀式。

まず石の祭壇にナイフで手を切って血をつける。その後崖から投身自殺。

ばあさんは顔がスプラッタで即死。グロい。じいさんは死に損なって足があらぬ方向へ。杵みたいなハンマーで頭を叩いて介錯。これまたグロい。

村人によると人生は春夏秋冬があって、一定の年になって人生の冬を迎えたら

誇りをもって自殺するとかなんとか。

カップルが発狂して帰ると言い出す。それ死亡フラグ

ダニも帰りたい。でも野郎どもが大学の論文書くとかで残ることに。ペレ慰めてくれる。

 

カップル男が行方不明に。カップル女も帰るといって出ていく。

黒人はクリスチャンにテーマパクられて切れる。でも調査始める。

奇形の子が予言の書物を書いてるとかなんとか。

自殺ジジババを火葬している。オッサンにチャラ男マークが怒られる。

神聖な木に立ちションしたらしい。オッサン怒り狂う。ペレかばう。

この日のご飯。黄色いドリンクなのにクリスチャンの飲み物だけオレンジがかってる。

マーク、村人の美人さんに誘われて抜ける。さっきまで怒られてたのに

美人に誘われるとか死亡フラグだろ。怪しめよ。

クリスチャンのパイから毛が出てくる。これ陰毛じゃね?やべ~ってなる。

クリスチャンの飲み物は小便ドリンクだと思ったんですけど

タペストリーの儀式見たら経血なんですねヴォェ

臭いよ!気づけよ!クリスチャン!しこんだのはマヤ。

 

マーク帰ってこないまま夜。黒人ジョシュが予言の書をスマホで盗撮。

フルチンの誰かに見つかる。

ジョシュ、マークだと思って声をかけるとコナンの1話よろしく

背後から来たもう一人に殴られる。殴られてウーウー言ってるのがリアルで怖い。

倒れた黒人を見るフルチンは、マークの皮をはいでかぶった村人。超こわい。

 

翌日、女性はダンスコンテストがあるということでダニが参加。

そういえば、どんどんダニの服が村人と同じになっていく。

ポールの周りを踊り続け、最後の一人がMay Queenになれるらしい。

参加者はお茶?を飲む。(実はドラッグでラリラリ)

ラリって村の人と話せた気分になってくる。

「わたしあなたの言ってることわかるわ!」翻訳こんにゃくか。

その瞬間踊っていたほかの村人同士がぶつかって倒れ、ダニが優勝。

クイーンとしてめっちゃ崇められるダニ。クリスチャンとの溝が広がる。

彼氏クリスチャンは村の人に呼び出される。壁一面に絵のある部屋。

例の陰毛パイと経血ジュースのマヤをもらってくれ的な。それらを食ったら合意だろ的な。

彼氏はこれまたハーブ?を吸わされてマヤとセックス。

小屋に花を敷いて全裸で待つマヤ。周りには全裸の女たち(婆もいる)。

公開セックス。最中マヤの手を女性が握り続ける。きもい。

マヤがなんか言うと全部真似してくる。アンアン言ってるのもまねる。

こんなんチンチン萎えるわ。

 

そんなカオスな現場にクイーンの仕事(畑で儀式?)を終えたダニ到着。

浮気を知る。発狂して走り出したところ村人の女性たちがついてくる。

わ゛ぁ゛~゛~゛~゛~゛~゛~゛って泣き叫び発狂するダニをおつきの女性たちは

まねる。こわい。何か村の人々が全部まねてくる。

出すもん出したクリスチャン。マヤは「受精したわ!」みたいなこといっててこわい。

賢者タイムになってフルチンで逃げ出す。

ニワトリ小屋に逃げ込んだら、そこには内臓オープンな人間がいた。

しかも死にかけだし目ん玉くりぬかれてる。

たぶん消えたカップルの彼氏。「血の鷲」という儀式らしい。久々のグロ。

変な薬かがされて気絶するクリスチャン。

 

村人集会。クイーン様ダニは草木のドレスで参加。

生贄は9人必要。

今死んでるのは飛び降りジジババと、カップルと、チャラ男、黒人。

村から2人出す。志願者募る。2人立候補。

ペレは生贄呼んできたのとクイーンも連れてきたということでなんか良い冠つけてもらえた。

あと一人は、ビンゴで引いた村人か、クリスチャンのどちらか、クイーンが選ぶ。

 

選ばれたのはクリスチャンでした。

冒頭出ていたクマを解体。内臓をくりぬきクリスチャンを入れる。

生贄たち(顔や首だけ)は三角形のピラミッド小屋に入れられ藁に放火。

カップル女もいつの間にか殺されてた。

あとどのタイミングかは忘れたけど黒人も土に埋められてたな。

薬で動けないまま、クマに詰められてクリスチャンたちは生焼き。

志願者2人もさすがに嫌だと叫びだす。

叫び声をまねて外で眺める村人たちも暴れだす。こわい。

呆然とするダニ。

でも小屋が全部燃え尽きた時、ふっと笑ってエンド。

 

予習のために観た「ウィッカーマン(1973)」とは別物でした。

ウィッカーマンはカルト的恐怖とミステリーとバッドエンドなので…

でも雰囲気が似てた。うどんとそうめんぐらいの類似度合い。

 

こっから感想。

ダニはラストで笑っちゃったのでもう戻れないですね。

前半1時間ぐらい鬱で病んでたのがなくなり、

いろいろとあわなかった彼氏は消し、村の人々は共感(?)してくれるし、

ダニからしたらハッピーエンドでは?って言われてますね。

 

女って、めんどくさい思考しているってよく言われるじゃないですか。

相談した時は解決法じゃなくて共感を求めているって話。

あれ、最近そうだなって思い始めてきました。

解決しようと模索してうまくいってねえんだから口出すなよ。どうして当事者じゃねえお前が解決できると思ってるんだよ、それより慰めの言葉の方がましだわ…って。

ダニも前半鬱モードのときは共感がほしかったんじゃないかな。

そういう視点から考えると、この映画を観た女性は「ハッピーエンド」「すっきり」

って捉えると思います。最悪な彼氏クリスチャンも燃えたし。

 

男性からするとこんな胸糞悪いキチ映画はないと思います。

クリスチャンだってダニを突き放して別れるとこまではいってなかったし。

でもダニのこと雑に扱ってたし浮気した時点でなぁ…

チャラ男マークは立ちションが決定打で殺されました。

村人からも愚か者扱いされてましたね。

ジョシュはなんか、ミステリーで真犯人に気づいて殺される役的な感じでした。

 

そして自分の友達を生贄として連れてきた男ペレ。

彼からは、金田一少年の事件簿の「ヤベー村出身の同級生」って臭いを感じた。

というか異人館村殺人事件の時田若葉。

自分の村ヤベーとわかってて友達呼ぶ根性がすげえ。

 

 

今のところの感想はこんな感じです。

そんな人生変わるとか夢に出てくるとか2・3日頭から離れない…って

ほどではないけど、観て元気は出ました。Blu-ray出たら買って、死にたくなったら観ようと思います。

これは男女の違いとか宗教とか学問的な?視点で考察しようと思ったら

いくらでもできるだろうけど

頭空っぽで見てもいいじゃん。

 

グロ・ゴアで鬱が加速しない人、誰にも共感されずストレスのたまっている女性なら、

観てプラスになるかもしれない。そんな作品でした。